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退職には、会社都合と自己都合の2種類があることをご存知でしょうか?退職理由によって失業保険の給付額や退職金の受給が変わってきます。最近ではコロナによる業績悪化で会社都合による退職が増えてきています。もし会社都合で退職になった時に失業保険はどうなるのか。いざという時に備えて紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
会社都合退職と自己都合退職の違い
自己都合による退職では、労働者の家庭の事情やキャリアアップのためなど、個人的な都合によるものが多いです。一方で会社都合での退職は会社の倒産やリストラ、会社都合の判断によるものから、人間関係のトラブルによるいじめや嫌がらせなどによる退職が挙げられます。そのほかに以下の一覧にまとめてみました。
主な退職理由 | |
会社都合退職 | ・会社の倒産・リストラ・派遣社員の契約更新止め・希望退職制度の利用・いじめや嫌がらせなどで退職がやむを得ないとき・会社から給与カットや未払いがあるとき |
自己都合退職 | ・子育てや結婚などのライフイベント・病気や介護などの家庭事情・職場での不満やキャリアアップ・違反行為による懲戒解雇 |
会社都合か自己都合かは最終的にハローワークが判断します。まず会社が退職届の有無や退職の事情を判断し、会社都合か自己都合かを記載しハローワークに提出します。その後、離職票を本人が受け取った時に退職理由について異議がある場合は、ハローワークに申し立てできます。
実際の退職理由がわからない場合は、会社の人事部に相談してみるのも良いかもしれません。会社都合の解雇の場合は会社は30日以上前にその旨を伝えることが法律で定められています。
会社都合退職による失業保険の違い
会社都合と自己都合では失業保険の金額は以下のように違いがあります。
自己都合退職 | 会社都合退職 | |
給付開始日 | 2ヶ月7日後 | 7日後 |
給付日数 | 90〜150日 | 90〜330日 |
給付制限 | あり | なし |
どちらの理由でも失業保険を受給することができます。しかし、自己都合の場合は2ヶ月間程度の給付制限があります。ハローワークに必要書類を提出してから給付制限期間があり、その後に受給できるようになります。
一方で、会社都合の場合は、7日間の待機期間後、提出日から約1ヶ月後に失業保険の給付金が受給できます。
失業保険を受給する条件、受給開始日、受給期間などを踏まえて、会社都合退職の方が自己都合退職よりも多く、失業保険を受給することができます。
例外として、自己都合退職でも失業保険の制限を免除される場合があります。例えば、事業所の移転で通勤が困難になった場合、30日以上の家族の介護、医師による退職のすすめなど、特定理由離職者として免除される場合があります。認定されるためにはハローワークに必要書類を提出する必要があります。
さらに、自己都合退職を会社都合退職にすることも可能です。例えば会社からいじめや嫌がらせを受けたり、長時間労働が続くなど労働状況に問題がある場合です。客観的な証拠があれば会社都合に変更することが可能です。これもハローワークに必要書類を提出し判断してもらいましょう。
会社都合退職を自己都合退職にさせられたら?
本当は会社都合退職にも関わらず、会社から自己都合退職とうながされて退職届けを出したという例も少なくありません。退職届をだすということは自ら退職を志願したという意味になり自己都合退職にならざるをえません。会社都合退職にしたい場合は断るか、退職届けを出さないようにしましょう。
もし、退職時に自己都合退職と扱われたとしても、会社都合に変更できる場合があります。例えば、雇用契約が大幅に異なる時、パワハラなどの理由で辞めざるをえない時などです。会社都合か自己都合かは最終的にハローワークが決めることなので客観的に判断してくれます。客観的に判断する際に有利な証拠として、労働契約書や就業規則やタイムカードを保管しておくと良いかもしれません。
さらに、30日以上の家族介護が必要で退職になったなど特定理由離職者の場合、失業保険の制約が免除される可能性があります。自分自身が特定理由離職者に該当するか確認してみるのも良いでしょう。
一方で、本当は自己都合なのに会社都合と嘘をつき、転職してから失業保険を受け取るなどの行為が発見された場合は経歴詐称として、最悪の場合、転職先からの解雇や罰金を払う場合があります。
会社都合退職と自己都合退職の退職手続きの違い
今まで失業保険について会社都合と自己都合の違いについて話してきましたが、退職手続きについても異なる箇所がいくつかあります。退職手続きは最終的に失業保険の給付に関係してくる可能性もあるため、ここでは退職手続きの違いも説明していきます。
自己都合での退職の場合、会社の就業規則にもよりますが退職届の提出が求められます。後任担当への挨拶や引き継ぎ、退職交渉にかかる時間を考慮すると、退職する2ヶ月前には退職意思を伝える必要があります。
一方で会社都合による解雇などの場合は、会社側は労働者に30日以上前にその旨を伝える必要があります。さらに30日に満たない分の解雇予告手当を支払うことが法律上定められています。後に言った言わないなどのトラブルを避けるために解雇予告通知書や解雇理由証明書を書面で発行してもらうと安心です。
次の転職先の入社までの時間がない場合
会社都合や自己都合に関わらず退職までに準備しなければいけないことがあります。急な解雇の場合は十分に準備できませんが、前もって退職がわかっている状態であれば以下のような準備をしてみると良いかもしれません。
・退職に向けた準備
退職日について会社側の同意が得られているか、業務の引き継ぎが行われているかなど。たつ鳥あとを濁さずといいますが、退職する身としては退職後の会社環境を悪くしないことが最良の道だと言えます。
・退職のための諸手続き
会社に返却するもの受け取るものを把握しているか、雇用保険や失業保険を理解しているか、健康保険に関する手続きはどうするか、年金と税金に関する手続きはどうするかなど。ある企業に所属していれば税金や年金、保険料のことなんて考える必要はありませんでした。しかし、一度会社を退職するとこれらの手続きや仕組みが変わってきます。退職する前に知ることが大切です。
次の転職先の入社まで間が空く場合
退職に向けた準備や、退職のための諸手続きを行いながら失業保険の申し込みをする必要があります。会社から離職票を受け取り住民票に記載のある地域の管轄内にあるハローワークにて手続きを行います。あらゆる条件があるため時間がかかる可能性がありますが、前もって準備をしていれば心配はありません。
まとめ
今回は、自己都合退職と会社都合退職の間で失業保険や退職手続きにどのような違いがあるのか解説してきました。また会社都合に焦点を当てて自己都合との違いやメリットもお伝えしました。結論をいうと会社都合のほうが自己都合よりも多く失業保険がもらえたりとメリットが多いです。どのような場合が会社都合に当たるのか確認しながら、会社都合なのに自己都合になっていないか再確認しながら退職準備を進めていけると良いですね。
この記事の監修
海老名 信行
取締役/COO
株式会社ツナグバ
大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
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