未経験転職で可能性を広げよう!どこよりも求職者に寄り添ったキャリア支援のご相談はこちら!
この記事では、世界の失業率ランキングとともに、日本の失業率の推移や背景、今後の見通しを中心に解説しています。世界の失業率を把握することは、今後の日本経済を理解する上で重要な情報です。世界の失業率の状況、世界と日本の失業率の比較を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
失業率(完全失業率)とは?
失業率とは、労働力人口に占める働いていない人の割合を表す指標であり「失業率(完全失業率)=(完全失業者÷労働力人口)×100」で割り出すことができます。労働力人口には就業者と失業者が含まれており、失業率が高い場合は、消費や投資などの経済活動が低下傾向にあり、経済が回っていないと予測されます。一方で失業率が低い場合は、人手不足や需要増加による景気回復の兆しが見られることがあります。失業率は、政策立案や企業の経営戦略など、重要な指標として用いられています。以下は、完全失業者に該当する条件です。
完全失業者の条件 |
・仕事がなくて働けない・仕事があればすぐに働ける・仕事を探す活動や事業を始める準備をしている |
上記の条件を満たす者が完全失業者に該当し、15歳以上の労働力人口に占める完全失業者が多い場合は、経済が低迷していると判断される場合があります。
世界の失業率ランキング一覧
失業率は、その国の経済状況を把握できる指標の1つです。では、2023年現在の世界の失業率はどうなっているのでしょうか。ここでは、国際労働機関が毎年発表している世界の失業率ランキングから、失業率が高い20ヶ国と、日本を含む先進主要各国の失業率の順位を紹介します。
(1)世界の失業率が高い上位20カ国
以下の表は、ILO(国際労働機関)の発表による世界187ヶ国の失業率ランキングです。
順位 | 国名 | 失業率(%) |
1 | 南アフリカ | 28.77 |
2 | ジブチ | 27.95 |
3 | パレスチナ | 26.39 |
4 | エスワティニ | 24.56 |
5 | コンゴ民主共和国 | 22.24 |
6 | ガボン | 21.84 |
7 | ナミビア | 21.27 |
8 | ボツワナ | 21.16 |
9 | リビア | 20.61 |
10 | セントビンセント・グレナディーン | 20.40 |
11 | ソマリア | 19.93 |
12 | セントルシア | 19.52 |
13 | スーダン | 19.05 |
14 | ヨルダン | 18.44 |
15 | レソト | 18.29 |
16 | モンテネグロ | 16.87 |
17 | チュニジア | 16.26 |
18 | イラク | 16.17 |
19 | 北マケドニア | 15.78 |
20 | サントメ・プリンシペ | 15.34 |
上位20ヶ国のほとんどがアフリカ諸国、中東などの開発途上国が占めています。内戦等で政情が不安定であり、なおかつ主な経済基盤が確立されていないことが、失業率の高さに繋がっていると思われます。
(2)日本を含む先進主要各国の失業率の順位
以下の表は、ILO(国際労働機関)の発表による世界187ヶ国の失業率ランキングにおいて、日本を含む先進主要各国の失業率の順位です。
順位 | 国名 | 失業率(%) |
55 | イタリア | 9.50 |
67 | フランス | 7.86 |
77 | カナダ | 7.46 |
91 | グアム | 6.25 |
106 | アメリカ | 5.35 |
114 | オーストラリア | 5.12 |
124 | イギリス | 4.83 |
128 | ロシア | 4.72 |
129 | 中国 | 4.55 |
136 | オランダ | 4.21 |
149 | ニュージーランド | 3.78 |
153 | 韓国 | 3.64 |
155 | ドイツ | 3.57 |
156 | シンガポール | 3.54 |
168 | 日本 | 2.80 |
日本を含む主要先進国に値する各国の失業率を見ると、ヨーロッパ諸国の失業率が高い傾向にあります。これは、初任給や最低賃金などの賃金労働コストの水準が高く、また企業者の新卒者採用に対するインセンティブがあまり高くないことが挙げられます。また、世界経済の中心的役割を果たすアメリカの失業率も5%強と、日本や中国、韓国より高い傾向にあることがわかります。一方、アメリカや中国と比べて人口が少ない日本は、187ヶ国中168位と失業率が低い水準を維持しています。
日本の失業率の推移
世界各国の失業率ランキングを紹介しました。経済大国であるアメリカを含む欧米各国の失業率が高いことに驚かれた方は多いのではないでしょうか。一方で日本は、欧米各国と比べて失業率が低い傾向にあります。そこで、ここでは日本の失業率の推移とその理由を詳しく解説します。
(1)日本の失業率は低水準を維持している
以下の表は、総務省統計局の発表による2020年〜2022年の年間失業率と、月次失業率の推移です。
年間失業率の推移 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
完全失業率 | 2.8% | 2.8% | 2.6% |
月次失業率の推移 | 2022年11月 | 2022年12月 | 2023年1月 | 2023年2月 |
完全失業率 | 2.5% | 2.5% | 2.4% | 2.6% |
過去3年間の日本の年間失業率は、3%未満の低水準を維持しています。また月次失業率においても、毎月2.5%前後を維持しているため、世界の失業率と比較しても日本の失業率は低く、比較的経済は安定していると判断されています。
(2)日本の失業率が低い理由
世界の失業率ランキングでわかる通り、日本の失業率は世界各国と比べて低い水準を維持しています。その理由は、雇用制度における欧米諸国との違いがあると考えられます。日本は、「日本型雇用」と呼ばれる終身雇用・年功序列・企業別組合の3つの制度で形成された雇用システムを採用しており、これにより失業率が低いと考えられています。
【終身雇用制度】
終身雇用とは、企業が一度採用した従業員を定年退職するまで雇用し続ける制度のことを指します。企業の評価を下げるような大きな不祥事を起こした場合などを除き、安定した雇用が保証されます。 |
【年功序列制度】
年功序列とは、企業において従業員の年齢や勤続年数に応じ、給与や昇進の優遇を行う制度のことを指します。年功序列は「年功賃金」とも呼ばれており、企業に長く勤めるほど給与が増え、また重要な役職がつきやすく、それに伴う手当等が付与される制度です。 |
【企業別組合】
企業別組合とは、企業ごとに従業員が独自に設立した労働組合を指します。企業別組合は、企業に所属する従業員が主体となって経営陣と労働条件などの交渉を行います。給与面等の待遇や、職場環境等の改善要求を行うことができます。 |
とくに終身雇用制度と年功序列制度は、長く働くほど給与が増加し、定年まで収入が安定します。それにより、失業率を低く抑える効果に繋がると考えられます。しかし近年、グローバル化や経済の変化により、雇用安定の保証が難しく、また能力や実績に応じた評価が重視されつつあることから、終身雇用制度と年功序列制度を見直す企業が増えているのが現状です。そのため、今後は日本の失業率が高くなるかもしれません。
まとめ
今回は、世界の失業率ランキングや、日本の失業率の推移と現状を中心に解説してきました。失業率が高い国のほとんどは、アフリカ諸国や中東諸国という開発途上国が占めていますが、これらの国は紛争やそれに伴う政情の不安定、また貧富の差が大きい傾向がみられます。また経済大国の欧米諸国に関しても、比較的失業率が高い傾向がみられます。この理由は、失業率が低い日本と異なる雇用システムを採用していることが主な要因といえるのではないでしょうか。とはいえ、現在の日本の失業率が低いからといって、今後も同じであるということはできません。事実、日本は従来の雇用制度の見直しを進めており、また若年層の積極的採用、能力や実績の評価を重視する企業が増えています。
この記事の監修
海老名 信行
取締役/COO
株式会社ツナグバ
大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
プロフィール紹介