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在留資格(就労ビザ)とは?種類と取り方、永住権、社会保険の取り扱いについて

外国人が就労する際にハードルとなる、在留資格(就労ビザ)について。その種類と取得方法、社会保険の取り扱いなどについて調査しました。「知らないうちに不法就労者に……」なんてことにならないよう、外国人就労に関する決まりごとを確認していきましょう。

目次

「在留資格」と「在留期間」って?

在留資格とは、外国人が日本での活動を認められた根拠となる資格です。日本に在留する外国人は、入国後に発行される在留資格の種類により、活動可能な範囲や在留することが可能な期間が決定されます。この「在留することが可能な期間」を、その名の通り在留期間といいます。

在留資格と就労ビザの違いは?
よく耳にする「就労ビザ」ですが、実は「就労ビザ」という正式な用語は存在しません。外国人が日本で働くために取得する必要がある「在留資格」が、慣用的に「就労ビザ」と呼ばれるているだけなのです。

「ビザ(査証)」が本来意味するところは、「このパスポートは有効であり、この人が入国しても問題はありません」ということを示す証明です。これはパスポートに添付され、入国の際に必要な書類の一部となります。この「ビザ」も渡航の目的によって、外交・公用・就業などいくつかの種類に分かれています。

在留資格の種類・取得要件・在留期間は?

在留資格の種類は現在、30種類存在しています。その中でも、日本で就労することが認められている代表的な在留資格をいくつかご紹介します。

在留資格行うことができる活動(仕事)在留期間
医療
(医療従事者)
医師・歯科衛生士・看護師・薬剤師・理学療法士などの資格を有する者が医療業務に従事する活動5年・3年・1年・3か月
介護
(介護福祉士)
介護福祉士の資格を持つ外国人が、介護福祉施設との契約に基づき介護業務に従事する活動5年・3年・1年・3か月
技能
(医療従事者)
日本の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野にて熟練した技能を要する業務に従事する活動5年・3年・1年・3か月
企業内転勤
(国際間における人事異動)
日本に本店、支店、その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が日本にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行う技術・人文知識・国際業務の活動5年・4年3か月・4年・3年3か月・3年・2年3か月・2年・1年3か月・1年・6か月・3か月

なお、在留資格「介護」は2017年に、「特定技能」は2019年4月に新たに施行された資格で、介護業界の人手不足解消の一手となることが期待できます。

在留資格の取得要件(医療・介護・特定技能)

数ある在留資格の中から、今回はジョブメドレーの求人でも扱っている「医療」「介護」および「特定技能」の在留資格取得要件をご紹介いたします。なお、「技能」の在留資格にかかる「調理師」は外国料理専門店での就業のみが認められている資格のため説明は省略します。

在留資格「医療」の取得要件

1:下記いずれかの日本の免許を有している。

医師・歯科医師・歯科衛生士・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師・診療放射線技師・理学療法士・作業療法士・視能訓練士・臨床工学技士・義肢装具士


2:准看護師の場合は、免許取得後4年以内に研修業務を行う。
3:薬剤師、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士の場合は日本の薬局または医療機関に招かれている。

在留資格「介護」の取得要件

日本の介護福祉士養成施設(2年制以上)を卒業し,介護福祉士の資格を取得している。

※国家試験の合格が必要となる。ただし2021年4月施行予定の法改正により、2026年度までの養成施設卒業者には、卒業後5年間の経過措置が設けられている。

在留資格「特定技能1号」の取得要件

介護技能と日本語能力を試験等で確認し入国

・介護技能評価試験
・国際交流基金日本語テスト(または日本語能力試験 N4以上)
・介護日本語評価試験

在留資格の取得までの流れ

在留資格の取得方法は主に、入国後に自身で必要書類を用意し入国管理局へ申請する方法と、入国する前に日本にいる代理人(雇用主や配偶者など)に「在留資格認定証明書」を申請してもらう方法の2通りがあります。「在留資格認定証明書」とは、その名の通り日本での在留活動が認められた者に交付される証明書を指します。

これら2通りの方法ですが、自身で申請する方法は審査に時間が掛かるうえ、言語の問題や必要書類の収集などがネックとなるようです。そのため、日本にいる代理人に在留資格認定証明書を申請してもらってから入国するパターンが多いようです。

こんな場合は不法就労になるので注意!

許可や権利のない外国人が、決まりを無視したまま働くことを不法就労といいます。これは悪意がなくとも、雇用側と労働者側の認識の違いや勘違いによっても発生するケースがあるようです。不法就労をしてしまったら「知らなかった」では済まず、罰則を与えられてしまいます。在留資格や在留期間の制度は複雑ですが、特に以下のようなケースに注意して働きましょう。
ケース1:在留資格を得ずに、「ビザ(査証)」だけで働いてしまう
ケース2:在留資格を取得しているが、認められている範囲外の労働をしてしまう
ケース3:在留期間を超え、更新もせず日本に滞在し続けてしまう

日本に永住して働き続けるには

「日本の永住権が欲しい」「在留資格の制限や在留期間の更新から解放されたい」。そう考えている外国人労働者の方も多いかと思います。
ここでは永住者として日本で暮らしていくメリットや、永住資格の取得方法について確認してみましょう。

「永住者」「定住者」「帰化」それぞれの違い

「永住者」と似たような言葉に「定住者」と「帰化」があります。ご存知の方も多いかと思いますが、各用語について改めて確認してみましょう。

永住者永住者は在留活動および期間に制限がなく、原則は日本人と同じような働き方が可能です
定住者定住者は在留活動の制限はありませんが、在留期間に指定があります。
※日系人やその配偶者、「定住者」の実子、日本人や永住者の養子、難民指定された外国人など、特別な事情を考慮された人がこれに含まれます
帰化帰化は外国人が日本国籍を取得することです。国籍上は日本人になるので、就労に関する制限はなくなりますし、選挙権なども得られます。

永住することでのメリットは?

永住権を取得することで以下のようなメリットを得ることができます。しかし一方でその審査は非常に厳しく、手続きに必要な書類も膨大な数になるようです。

日本の永住権を取得することで得られるメリット


・在留資格の制限がなくなる
・在留期間の制限がなくなる
・在留期間や在留資格にともなう心理的負担から解放される
・社会的信用に繋がり、ローンなども組みやすくなる

永住権の取得方法は?

永住権を取得するための明確な定義はなく、個別の事情や状況を考慮し、以下のような要件から総合的に判断されます。永住権の基本的要件

永住権の基本的要件

・おおむね10年以上継続して、日本に在留している
・現在の在留資格の最長の在留期間を取得している(例:介護→5年)
・素行が善良である
・独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
・その者の永住が日本の利益に合致する
※「日本人・永住許可者・永住者」の配偶者と子については1,2の要件は不要

留学生などに適用される就労の上限28時間制限とは

これは、就労が許可されていない在留者が資格外活動(アルバイト・パート)の許可を得た場合に適用されます。
主な対象者は「留学生」「学校を卒業し、就職活動をしている者」「家族滞在の資格を持つ者」などです。
これらの対象者は「原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」範囲内であれアルバイトやパートに従事することができます。
なお「週28時間以内」という制限は、本来の活動(学業など)を阻害しない範囲として定められています。

在留資格があれば家族も日本に滞在できる?

在留資格のうち「教授」「芸術」「宗教」「報道」「投資・経営」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術」「人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」、「技能」「文化活動」「留学」の、いずれかを取得していれば、本人の扶養を受ける配偶者とその子どもに限り、日本に滞在することが許可されており、これを「家族滞在」といいます。また、その期間については在留資格を取得している本人と同じ期間になります。就労については週28時間以内の資格外活動であれば可能です。

最後に

冒頭でも記述した内閣府発表の資料によると、外国人労働者の数は2016年から約18%も増えており、2008年からは約2.5倍以上に増加しています。東京オリンピックを控えている日本では、外国人労働者の雇用はさらに拡大していくのではないでしょうか。

外国人労働者の方は「在留資格」や「在留期間」に注意しながら、ぜひこれからも日本での活躍を続けてくださいね!

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