今回は施設で働く介護職について。気になる給与や、その働き方、取るべき資格やキャリアパス、日本の高齢化と介護職の将来性などをご紹介します。

介護職員とは
老人ホームや介護老人保健施設などで、利用者の介助や身の回りのお世話をするのが介護職です。
介護職には、利用者の自宅を訪問してサービスを提供するホームヘルパー(訪問介護員)もいますが、今回は施設で働く介護職を中心に解説していきます。
介護職員の仕事内容
施設で働く介護職員は利用者の食事介助・排せつ介助・入浴介助・レクリエーションの提供などを中心におこないます。また、施設によっては医師や看護師などの医療職種や、理学療法士や作業療法士などの機能訓練指導員との連携も実施します。
介護職における代表的な業務について、それぞれ詳しくみていきましょう。
1.食事介助
食事介助は、1人で食事をとるのが難しい方や嚥下障害のある方の食事を介助・サポートする仕事です。口に運ぶ量や食べるスピードなどにも配慮し、誤嚥などの事故を防ぎます。
2.排せつ介助
トイレへの誘導→衣服の脱衣→排せつの確認→身体の清拭→衣服の着衣。というような流れで実施されます。
排せつは羞恥を伴う行為でもあり、対応を間違えると要介護者の尊厳を傷つけてしまうので、「排せつ中はトイレの外で待機する」「不快な態度をとらない」などの配慮が必要です。
3.入浴介助
入浴介助には「身体を清潔に保つ」という役割以外にも、心身ともにリラックス・リフレッシュしてもらうという目的もあります。
転倒などの事故に注意するのはもちろんですが、血圧や体温をはじめとするバイタル、皮膚の状態などにも留意しましょう。
介護職員の働く施設
1.特別養護老人ホーム(特養)
- 施設数:9,645(2019年 厚生労働省/介護老人福祉施設 参考資料)
- 介護度:要介護度3~5(特例が認められた場合の要介護度1~2)
介護職員になるには
介護職員として働くために必須とされる資格・経験などはありません。そのため、ジョブメドレー上にも無資格・未経験からでも応募できる求人は多数掲載されています。
2021年4月以降、入職後に「認知症介護基礎研修」の受講が必要です!
就職時点で必須となる資格や経験はありませんが、医療・福祉関係の資格を持たずに介護をおこなう職員については、入職後に「認知症介護基礎研修」を受けることが義務付けられています。
なお、すでに無資格の介護職員として働いている人も受講対象となります。制度が施行される2021年4月から3年間が経過措置期間のため、2024年3月末までの間に研修を修了する必要があります。
しかし仕事内容によっては資格を必要とする場合や、資格があることで選考に有利に働く場合もあります。ここで介護職における主要資格について確認しておきましょう。