「老人ホームで働きたいけど、給料はどれくらい?」
「給料をアップさせるにはどうすればいいの?」
このページを開いた方は、上のような疑問を持っていることでしょう。
老人ホームの給料は、他の介護施設と比べて多いのでしょうか?
それとも、少ないのでしょうか?
この記事では、気になる老人ホームの平均給料を確認し、他の介護施設の給料と比較。
さらに、給料をアップする方法をご紹介します。
疑問をすっきり解決して、就職・転職活動へのスタートを切りましょう!
老人ホームの種類
老人ホームの給料を確認する前に、老人ホームの種類について簡単にお話しします。
老人ホームの種類は、大きく分けると「特養(特別養護老人ホーム)」と「有料老人ホーム」の2つ。
下は、それぞれの違いを表にまとめたものです。
特養 | 有料老人ホーム | |
運営母体 | 公的機関 | 民間企業 |
利用者の介護度 | 原則として65歳以上で要介護3以上 | 自立~要介護5(施設によって異なる) |
費用 | 入居金不要 8~15万円/月 | 施設によって様々 |
個室 or 相部屋 | 相部屋もあり | ほとんどが個室 |
最も大きな違いは、特養は社会福祉法人や自治体などの公的機関が運営しているのに対して、有料老人ホームは民間企業が運営しているという点。
また、特養は入居者の年齢や介護度に制限があり、費用は比較的安くなります。
そのため入居希望者が多く、ほとんどの施設が待機状態になっていると言えるでしょう。
老人ホームの給料
前章では、特養と有料老人ホームの違いについて、大まかに説明しました。
では次に、老人ホームで働く場合の平均的な給料を確認していきましょう。
下は、介護施設で働く介護職員の平均給料を、施設の種類別にまとめたものです。
特養の方が有料老人ホームよりも給料が高い傾向にあるといえますが、有料老人ホームであっても、他の介護施設に比較して給料が高いことがわかりますね。
施設の種類 | 平均給料 |
特養(特別養護老人ホーム) | 345,590円 |
介護老人保健施設 | 338,390円 |
有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護事業所) | 319,760円 |
訪問介護事業所 | 314,590円 |
介護医療院 | 307,550円 |
通所リハビリテーション事業所 | 297,980円 |
介護療養型医療施設 | 287,070円 |
通所介護事業所 | 278,180円 |
出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p152)」
特養の給料が高くなっているのは、有料老人ホームに比べて介護度の高い利用者さんが多いため、介護の作業量や夜勤が多くなるからだと言えます。
また、有料老人ホームの場合は運営法人によっても大きく給料が異なります。
就職・転職活動をする際は、施設の待遇をしっかりと調べるようにしましょう。
老人ホームで給料をアップするには
老人ホームで給料をアップしたい場合、どのような方法があるのでしょうか?
老人ホームでは、資格を取ったり夜勤に入ったりすることで、給料のアップが可能です。
自分で自分の収入をアップさせる方法があるのは、介護職の魅力とも言えるでしょう。
老人ホームで給料をアップさせる方法は、以下の4つです。
- 夜勤を増やす
- 資格を取得する
- 長期間勤める
- 昇格を目指す
では、順に見ていきましょう。
方法1.夜勤を増やす
老人ホームで給料をアップするための最も手っ取り早い方法が、夜勤を増やすことです。
夜勤手当は、労働基準法で定められたものではありません。
そのため、4,000円~8,000円程度と、施設によって大きな差があります。
夜勤手当が4,000円の施設と8,000円の施設では、10回夜勤を行うと4万円もの差がついてしまいますね。
夜勤手当の額については、就職や転職前によく確認しておきましょう。
また、給料アップのために夜勤を増やすという方法は短期的には有効ですが、長期になると体に負担が出て、結局続かなくなります。
夜勤を増やすのは、欲しい物を買ったり旅行に行く費用を貯めたりするなど、短期的に給料をアップしたい場合に限った方が良いでしょう。
方法2.資格を取得する
給料アップの有効な手段として、資格の取得があります。
資格を取得すると資格手当がもらえるため、給料がアップするからです。
また、資格を取得することで、今の職場から他へ移る場合にも有利になりますね。
仕事に対する自信や必要な知識も身に付くので、給料アップのために資格を取得するのは、最善の方法だと言えるでしょう。
下は、介護職にオススメの資格と、有料老人ホームで働いた場合の資格保持者の平均給料を、高い順にまとめたものです。
保有資格がない場合に比べて、たとえば介護福祉士の資格を持っていると、8万円近くも給料に差があることがわかりますね。
取得資格 | 平均給料 |
介護福祉士 | 335,920円 |
社会福祉士 | 375,990円 |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 370,210円 |
実務者研修 | 298,050円 |
介護職員初任者研修 | 305,590円 |
保有資格なし | 258,040円 |
出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p183)」
事業所によっては、資格取得のサポートをしてくれるところもたくさんあります。
キャリアアップしながら働きたいという方は、資格取得のためのサポートがある職場を探すのがオススメですよ。
方法3.長期間勤める
ひとつの職場で長期間働き続けることも、給料をアップさせる方法の1つです。
なぜなら、多くの施設では勤続年数によって昇給していくからです。
長期間に渡って様々な経験を積むことで、仕事をスムーズにこなせるようになるのはもちろん、後輩の教育にも携わっていけるようになるなど、能力が評価されるようになるでしょう。
4.昇格を目指す
昇格を目指して努力することも、もちろん給料アップにつながります。
特に利用者や職員の人数が多い事業所では、役職を設けて職員の教育や仕事のまとめ役を担っていることが多いと言えるでしょう。
役職に就くには、仕事をしっかりとこなすことはもちろんですが、多くの場合介護福祉士の資格が必要になってきます。
資格の取得が、昇格にもつながってくると言えますね。
老人ホームで働くメリット
最後に、老人ホームで働くメリットを確認しましょう。
老人ホームで働くメリットには、以下のようなものがあります。
- 働きながらキャリアアップできる
- 福利厚生が充実している事業所が多い
- 給料の高い事業所もある
たとえ就職した時は無資格でも、資格取得のために学びながら働くことができるのは、老人ホームで働く強みですね。
さらに、公的機関が運営している特養はもちろんのこと、民間企業が運営している有料老人ホームであっても、福利厚生が充実した事業所が多いのが、老人ホームの特徴です。
また、事業所によっては給料を高めに設定している所もあります。
夜勤がある施設は職員の負担も高くなるため、給料や夜勤手当が充実している傾向があると言えるでしょう。
まとめ
この記事では、老人ホームの給料がいくらなのか、厚生労働省の調査結果をもとに詳しく検証しました。
介護職は給料が安いという印象を持っている方が多いようですが、コツコツと経験を積み、資格を取得していくことが給料アップにつながります。
老人ホームへの就職や転職を考えている方は、以下についてしっかりと確認しましょう。
- 資格取得のサポートの有無
- 資格を取得した場合の手当の金額
- 夜勤手当の金額
- 勤続年数による昇給額
- どんな役職があって手当はいくらなのか
この記事が皆さんの就職や転職のお役に立てば幸いです。