「介護の仕事に就きたいけど、フルタイムで働くのは無理だな」
という方も、基本的に夜勤が無いデイサービスなら、自分に都合の良い時間帯にパートで働きやすいといえます。
そこで気になってくるのが時給ですね。
今回の記事では、デイサービスでパートで働く場合の時給の相場や平均について、他の介護職や介護以外の職業と比較しながら解説。
また、デイサービスで時給をアップする方法や、デイサービスでパートで働くメリットとデメリットについてもお話しします。
デイサービスでのパート勤務を検討している方や転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください!
デイサービスで求められるスキル
デイサービスではどんなスキルや経験を求められているのでしょうか?
まずデイサービスでは他の介護施設と比較して、介護度の軽度な利用者が多いといえます。
デイサービスなら働きながら経験を積むチャンスがありますよ。
また、デイサービスで働いている人の職種は、多岐に渡ります。
介護職員、看護師、生活相談員、機能訓練指導員、調理師、事務員など、あなたの得意分野が活かせるでしょう。
仕事内容も、入浴や排せつの介助、おむつ交換、衣類の着脱介助、送迎車両の運転など、本当に様々です。
利用者さんがデイサービスで過ごす時間は4時間~8時間ほど。
限られた時間の中で、入浴、食事、リクリエーションなどを行うため、短時間にてきぱきと仕事を処理する能力が必要です。
デイサービスでは血圧や体温をチェックしたり、医師と連絡を取る場面もあるため、看護師としての経験が求められる場合もあるといえるでしょう。
デイサービスの時給の相場は?
次に、デイサービスでの時給の相場についてお話しします。
デイサービスの時給相場は800円~1,500円程度で、以下のような条件によって金額が異なります。
- 取得している資格や介護経験
- デイサービスのある地域
- 勤務する時間帯
- 仕事の内容
では、1つひとつお話ししていきましょう。
(1)取得している資格や介護経験
パート勤務であっても、資格を持っていたりこれまでの介護経験が長いほど、有利な時給で契約できる場合があります。
例えば看護師の資格を持っている人だと、地域等にもよりますが高ければ2,000円前後の時給になることもあるでしょう。
また、リハビリ特化型や認知症特化型のデイサービスの場合、資格や経験があると優遇される場合があります。
さらにパートであっても資格を取るための補助が出る事業所もあるため、勉強しながら働きたいという方は資格取得支援がある事業所がオススメですよ。
(2)デイサービスのある地域
デイサービスがある地域によっても、時給に差があります。
東京や大阪などの都市部は時給が高く、人口密度の低い地域へ行くほどに時給が下がってくるのは他の職業と同様だといえるでしょう。
ただし、都市部は家賃や物価が高くなるため、単純に時給だけで比較できない部分もあります。
また、交通費がいくら出るかなども重要な要素になるため、条件をよく確認することが大切です。
(3)勤務する時間帯や曜日
勤務に当たる時間帯や、出勤する曜日によっても時給は異なります。
デイサービスでも「お泊りデイサービス」などの夜勤のある事業所や、日曜日もサービスを行っている事業所もあるからです。
そのような事業所では、夜勤や日曜勤務の場合は時給が高くなる場合があります。
逆に、昼間や平日のみの勤務の場合は、時給が低くなることもあるでしょう。
(4)仕事の内容
デイサービスでの仕事内容によっても、時給は大きく異なってきます。
例えば医療に属することは看護師としての資格がないと行うことができないため、時給も高くなるといえるでしょう。
また、レクリエーションの企画を立てることができる方が優遇される場合もあります。
デイサービスのパートはボーナスがもらえる?
デイサービスのパートは、ボーナスがもらえるのでしょうか?
ここでは、以下の3点ついて解説します。
- 勤務先の経営状況等によって様々
- 正社員よりも金額は少ない
- 個々の労働状況によっても異なる
それでは順に見ていきましょう。
(1)勤務先の経営状況等によって様々
介護施設といえども一般企業なので、ボーナスが支給されるかどうかは、勤務先の経営状況等によります。
ただし、パートにボーナスを支給する事業所自体が少ないのが現状。
パートにもボーナスが出る事業所で働きたい場合は、求人情報をよく見て確認しましょう。
(2)正社員よりも金額は少ない
パートにボーナスを支給しているデイサービスもありますが、正社員よりも金額的にかなり少ないところが多いといえます。
ボーナスというよりも「寸志」と捉えた方が良いでしょう。
(3)個々の労働状況によっても異なる
パートにはボーナスが出ない事業所が多いといえますが、個々の労働状況によっても異なります。
パートは正社員と比較して責任が少なく、勤務時間も短いのが一般的。
しかし、中には正社員と同等に働き、会社に貢献していると判断された場合には、例外的にボーナスが支給される場合もあるでしょう。
しかし、あくまでも例外的なこととして考えてください。
時給職員の平均給与を他の介護施設と比較
次に、デイサービスで時給で働く介護職員(非常勤)の平均給与を、他の介護施設の場合と比較してみましょう。
デイサービスの時給職員は、他の介護施設の時給職員と比べて給与が低いのでしょうか?
下は、時給制で働いている介護職員の平均給与になります。
施設の種別 | 平均給与額 |
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 135,590円 |
介護老人保健施設 | 141,700円 |
介護療養型医療施設(療養型病院) | 143,390円 |
介護医療院 | 138,640円 |
訪問介護事業所 | 93,960円 |
通所介護事業所(デイサービス) | 117,920円 |
通所リハビリテーション事業所 | 135,480円 |
特定施設入居者生活介護事業所 | 136,370円 |
小規模多機能型居宅介護事業所 | 120,460円 |
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム) | 139,030円 |
出典:<令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果>
第85表 介護職員の平均給与額等(時給・非常勤の者),サービス種類別,時給額階級別(処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所)
平均給与が最も高いのが「介護療養型医療施設(療養型病院)」の143,390円で、逆に最も低いのが「訪問介護事業所」の93,360円です。
デイサービスの平均給与は117,920円なので、若干低めだといえるでしょう。
一般的な平均時給はいくら?
前章では、デイサービスの時給で働く介護職員の給与と、他の介護施設の場合を比較しました。
それでは、介護以外の職業も含めた一般的な平均時給は、いくらになっているのでしょうか?
下は、年齢別の平均時給を表で示したものです。
年齢 | 1時間あたり賃金 |
年齢計 | 1,384円 |
~19 | 1,093円 |
20~24 | 1,251円 |
25~29 | 1,393円 |
30~34 | 1,527円 |
35~39 | 1,547円 |
40~44 | 1,490円 |
45~49 | 1,422円 |
50~54 | 1,436円 |
55~59 | 1,406円 |
60~64 | 1,423円 |
65~69 | 1,405円 |
70~ | 1,383円 |
出典:<令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況>
第10表 短時間労働者の性、年齢階級別1時間当たり賃金、 対前年増減率及び年齢階級間賃金格差
全体の平均時給は1,384円ですが、25歳以降で考えると、1,400円程度であることがわかります。
デイサービスの平均時給が800円~1,500円程度であることを考えると、一般職と比較して、やや低めであるといえるでしょう。
デイサービスで時給を上げる方法
デイサービスでの平均時給は、他の介護施設や一般職と比較して、やや低めであることが多いようですね。
しかし、デイサービスでパートで働きながら時給を上げていくことは、もちろん可能です。
ここでは、デイサービスで時給を上げていく方法をご紹介します。
デイサービスで時給を上げるには、以下の4つの方法があります。
- 勤続年数を積む
- デイサービスで活かせる資格を取る
- 条件の良い事業所へ転職する
- 正社員や契約社員、派遣等で働く
では、1つひとつ確認していきましょう。
方法1.勤続年数を積む
デイサービスであっても他の介護施設と同様に、勤続年数によって時給が上がっていくところが多いといえます。
すぐにやめてしまわずに、粘り強く続けることで少しずつ時給は上がるでしょう。
しかし、全ての事業所が同じように時給が上がっていくわけではありません。
転職活動を始める際には、求人情報で以下についてきちんと確認しましょう。
- パートの昇給制度について書かれているか
- 時給はどのタイミングでいくらアップするのか
また、もし現在勤めているデイサービスの時給が低いため転職を考えているとしたら、就業規則でパートの昇給制度について確認することをオススメします。
方法2.デイサービスで活かせる資格を取る
資格を取得することは、時給アップのために非常に有効な方法です。
転職を考える際は、どんな資格を取得すると手当がいくら付くのかを、しっかり確認しましょう。
以下は、デイサービスで役立つオススメの資格です。
資格 | 概要 |
介護職員初任者研修 | 初心者がまず最初に取るべき資格
介護の基本を学ぶことで一人でも身体介護ができるようになる |
介護福祉士 | 介護職における唯一の国家資格
介護施設での実務経験が3年以上必要 |
社会福祉士 | 福祉における三大国家資格の1つ
生活相談員にキャリアアップすることが可能となる |
介護予防指導士 | 介護予防としての運動法が指導できる専門家
受講には2年以上の実務経験が必要 |
方法3.条件の良い事業所へ転職する
今の事業所では十分な時給のアップが見込めない場合、思い切って他へ転職するのも一つの方法です。
時給アップの条件をしっかりと確認しながら、転職先を探しましょう。
また、資格取得支援制度のある事業所を探すことで、働きながら効率的に資格を取得することができます。
方法4.正社員や契約社員、派遣等で働く
もし状況が許すならパートという働き方にこだわらずに、正社員や契約社員、派遣等として働き、収入のアップを図ることが可能です。
正社員なら解雇や失業というリスクが低いので、パートよりも安定して働くことが可能。
また、契約社員だと基本的な労働日数や時間数が正社員と同じであるため、収入はアップするでしょう。
派遣の場合もパートよりも時給が高い場合が多く、勤務時間や勤務地を選ぶことができるというメリットがあります。
デイサービスでパートで働くメリットとデメリット
デイサービスは他の介護施設などに比べてやや時給は低めですが、資格を取得したり勤続年数を積み上げることで、時給をアップしていく方法があることがわかりました。
では最後に、デイサービスでパートで働くメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。
まずはメリットからお話ししましょう。
メリット
デイサービスでパートとして働くメリットは以下の2つです。
- 未経験でも採用される確率が高い
- ライフスタイルに合わせて働くことができる
デイサービスは、他の介護施設に比べて未経験や無資格でもチャレンジしやすい職種ですが、パートの場合はさらに採用される可能性が広がります。
また、デイサービスは夜勤無いところがほとんど。
日曜が休みの事業所も多いので、自分のライフスタイルに合わせて勤務日や勤務時間を設定しやすいのも、メリットだといえます。
デメリット
デイサービスでパートで働く場合、以下のようなデメリットもあります。
- 正社員と同じような労働量になる場合もある
- 正社員に比べて収入が低い
介護職の仕事内容は、正社員でもパートでも基本的に変わりはありません。
人手不足の業界ということもあって、場合によっては正社員と変わらない労働量になってしまうでしょう。
しかし、資格取得を目指したり、より良い条件の事業所を探したりすることで時給のアップを図ることは可能です。
デイサービスの時給の相場以上の収入を!
この記事では、デイサービスの時給の相場や平均を確認し、時給をアップする方法についてもいくつかご紹介しました。
デイサービスの時給は、他の介護施設や介護以外の職種に比べて、少し低いといえます。
しかし、勤続年数を積んだり資格を取得するなどして、昇給を目指すことは可能。
ただし、昇給制度がどのようになっているのかは、きちんと確認しておくことが大切ですね。
転職する場合は、資格取得支援のある事業所がおすすめです。
パートで勤めながら無理なく効率的に資格を取得し、スキルアップを図りましょう!
介護職の給料や年収の相場については以下の記事も参考にしてください!