あなたはボランティアをしたことがありますか?
作今、老人ホームなどの介護施設でのボランティア活動に関心が集まっています。
「ご高齢の方が社会的・身体的に健康に過ごせるように、高齢者や介護職のサポートがしたい」
あるいは、「実際の介護の現場を見てみたい」とお考えの方が介護ボランティアを希望するようです。
そこで、この記事では介護施設の1つである老人ホームのボランティアが、快適に活動するための心得6つと活動内容や申請方法などを解説しています。
老人ホームでのボランティアをお考えの方に参考にしていただければ幸いです。
老人ホームのボランティア【心得6つ】
ボランティアに慣れている方でも、老人ホームでのボランティアとなると、ご高齢の方の対応となるため「何か特別に気をつけることがあるのでは?」と身構えてしまうようです。
ここでは老人ホームでのボランティアはこんな心得があれば快適に活動できる「心得6つ」を紹介しています。
心得1.高齢者を敬う気持ちを持つ
昔から、「お年寄りは大切に」と言われていますね。老人ホームのボランティア活動は高齢者とのかかわりが中心です。
高齢者を敬い、尊重する気持ちがなといとボランティアは務まりません。
こちらが親しみを込めて「おじいちゃん、おばあちゃん」と呼んでも高齢者側は不愉快に思われる方がいるかもしれません。入所者をお呼びするときは、お名前で呼ぶように心得ましょう。
入所されている高齢者が何を望んでいるのか、何をしたら喜んでいただけるのかを良く考えて行動するようにします。
また、入所者だけではなく、一緒に行動している他のボランティア参加者や介護職のスタッフたちにも同じような気持ちで接すればお互いに気持ちよく活動できるのではないでしょうか。
心得2.認知症の高齢者への配慮
老人ホームは高齢者施設なので認知症の方も生活しています。ボランティアは認知症である高齢者の自尊心を傷つけないように配慮が必要です。
認知症の高齢者に対して、行動を急かしたり驚かすような発言や行為は絶対NGだと心得ましょう。高齢者に、いきなり後ろから声をかけたりタッチしたりすると認知症の方でなくても驚いてしまいます。
そうは言え、初めての体験となるとどう対処していいのかわからない場合もありますよね。
そんな方は、ボランティアする前に認知症はどんな病気でどんな症状なのか、どんな風に接したら良いのかを学んでおくことをおすすめします。
地域で開催している「認知症サポーター養成講座」を受講しておくと、日常生活でも役立ちますよ。
心得3.個人情報を漏らさない
これはもう現代の常識なので、皆さん心得ているかと思いますが、ボランティア参加者はボランティアで知り得た個人的な情報は決っして他言してはいけません。
プライバシーの侵害にあたることもあります。老人ホームで暮らす高齢者は、老人ホームに入所していることを知られたくない方もいます。あなたに悪気がなくても、つい話してしまったことで大変なことになるかもしれません。
入所されている高齢者や介護職のスタッフにも、個人的な質問はしない、もし、たまたま耳にしたことでも外部には漏らさないように心得ましょう。
ボランティア参加者は、老人ホームのルールや介護職員の指示に従って、情報管理をしっかり意識することが大切です。
心得4.職務権限を重視する
老人ホームで働く介護職の主な仕事内容は、入所者の食事介助や排泄介助、入浴介助などの身体介護になります。また、夜間は見守り業務、日中のレクリエーションの提供なども介護職の役割です。
老人ホームのボランティアは、介護職の権限を重視するように心得ましょう。
ボランティア参加者は介護職に指示された活動内容を良く確かめ、納得してから行動するようにします。たとえば、入所者から排泄の手伝いなどを頼まれても、ボランティアが入所者の排泄介助することはできません。
そのような場合は、速やかに介護職に伝えて自分では介助することのないように気をつけましょう。
心得5.健康管理に気をつける
老人ホームのボランティアは日頃から健康管理にも留意しなければなりません。
老人ホームには、免疫力の低い方や風邪をひくと重症化してしまう高齢者も生活しています。あなたが風邪をひいているのに、無理してボランティアに参加してしまうと高齢者に風邪をうつしてしまうかもしれません。
老人ホームでのボランティアは常日頃から健康管理に気をつけ、体調の優れない時はお休みすることも大切な心得です。
心得6.笑顔や挨拶を忘れない
老人ホームに限らず、どんなボランティアでも笑顔や挨拶は忘れないように心得ましょう。
ボランティアが笑顔で「おはようございます!」「こんにちは!」と挨拶すれば、高齢者だけではなく他のボランティア参加者や介護職のスタッフたちとも気持ちよく活動できるはずです。
また、礼儀を重んじる高齢者にも良い印象を持ってもらえるのではないでしょうか。
ここまで、老人ホームでのボランティアの心得6つを紹介してきましたが、ボランティア保険に加入しておくとさらにボランティアが安心しておこなえるのでぜひ、検討してくださいね。
ボランティア保険についてはこちらを参考にしてくださいね▼
老人ホームのボランティア【活動内容】
老人ホームのボランティアがどんな心得でいると活動が快適になるかわかったところで、次は活動内容を見ていきましょう。
ここでは、次の3つの介護施設での活動内容をお伝えしています。
・デイサービス
・老人ホーム
・グループホーム
デイサービスでのボランティア内容
デイサービスは「通所介護」とも呼ばれる、在宅で暮らす要介護の高齢者が日中サービスを受ける介護施設のことをいいます。
ボランティア内容
・レクリエーションの補助や主催(介護職の補助だけではなくボランティア参加者たちが主催することもあります)
・複数の方と談話を楽しむ
・食事の用意や後片付け
・おやつの用意や後片付け
・簡単な教室を開催(歌や楽器の指導、書道、絵画など)
・音楽やダンスなどの発表など
デイサービスではお一人おひとりの対応ではなく、多くの利用者に楽しんでもらうことが中心となります。そのため、個々の方に対してのサポートとは異なり、ボランティア参加者の趣味や能力が発揮された提供が多くなるようです。
通常、デイサービスなどの介護施設のレクリエーションは介護職が中心になり提供されますが、ボランティアが補助あるいは主催してくれることで介護職の負担が軽減されるというメリットもあります。
個々の入所者に対する老人ホームでのボランティア内容
ボランティア内容
・入所者の話に耳を傾け、話しを聞き話し相手になる
・トランプや将棋、囲碁などゲームのお相手
・お手玉や折り紙などの手遊びを一緒に楽しむ
・入所者と散歩
・本や新聞を読む
・お茶くみをするなど
老人ホームに暮らす高齢者のほとんどの方がコミュニケーションを求めています。本来は、このような個々の対応は介護職がおこなうものなのですが、介護職は慢性的な人手不足となっている施設も多く、入所者個々の対応が十分ではありません。
ボランティアが介護職の代わりに個々の対応をすることで、精神的な癒しやストレス解消を感じる方もいます。
このように、普段は接しない世代の人とコミュニケーションを取ることが良い刺激となり、日常生活に張りができるのも大きなメリットとなるようです。
グループホームでのボランティア内容
グループホームでの活動内容は介護職の補助がメインとなります。
ボランティアは入所者の身体に直接触れるような介護業務はおこなえませんが、介護職の補助として次のような活動がおこなえます。
ボランティア内容
・食事の用意や後片付け
・寝具の整理整頓
・施設の清掃
・花壇の手入れや草むしり
・施設の備品交換など
以上のように、ボランティアは介護職の業務を陰で支える大事な活動です。また、理容や美容の資格を持っているボランティアが入所者の髪を切ったり、化粧を施すサービスもあります。
オシャレすることが入所者の生きる喜びとなり明日の希望へとつながるメリットもあります。
老人ホームボランティア【申請方法】
老人ホームのボランティアに参加するためにはいくつかの申請方法があります。
ここでは次の4つの申請方法をご紹介しています。
・介護施設に直接問い合わせる
・社会福祉協議会に問い合わせる
・NPO法人の募集
・市区町村の福祉課または地域包括支援センターに問い合わせる
それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。
介護施設に問い合わせる
介護施設は老人ホームに限らず、デイサービス・デイケア・グループホームなど様々な施設が随時ボランティアを募集しています。
利用者向けの介護施設のマッチングサイトですが、電話番号等も記載されているので、直接電話してみるのもいいでしょう。
社会福祉協議会に問い合わせる
社会福祉協議会とは、社協とも呼ばれる福祉の向上に向けて様々な活動をおこなっている民間組織です。営利を目的としない社協では福祉サービスや相談活動、ボランティアなど地域の福祉増進に取り組んでいます。
ボランティアをしたい人もボランティアを募集している人も社協に問い合わせをしてみましょう。
詳細は、下記のページにアクセスしてくださいね▼
NPO法人の募集
震災や火災など、何か災害があると駆けつけてくれるのがNPO法人で、皆さんも「ボランティア=NPO」というイメージがあるのではないでしょうか。NPO法人も利益を目的としない法人団体です。
NPO法人は、ボランティアをしたい人とボランティアを募集している人の橋渡し的な役割もしていますが、ボランティアについて学びたい人を支えるNPO法人もあります。ボランティアする前にボランティアについて色々学んでみるのも良いかもしれませんね。
こちらも詳細は、お近くのNPO法人に直接問い合わせるか、ホームページ等で調べてみてくださいね。
こちらからもアクセスできます▼
市区町村の福祉課または地域包括支援センターに問い合わせる
介護ボランティアの申請は、あなたがお住まいになる市区町村の福祉課やお近くの地域包括支援センターでもできますが、自治体によっては、介護支援ボランティア制度という取り組みをおこなっている地域もあります。
介護支援ボランティア制度とは、介護支援にかかわるボランティア活動をおこなった高齢者に対し、実績に応じて換金可能なポイントを付与する制度をいいます。この介護支援ボランティアで高齢者が社会参加や地域貢献ができるとして、参加される高齢者の健康増進や介護予防にもつながるようです。
また、現在はボランテイァ活動の場が広がって、一般高齢者だけに留まらず、介護認定を受けた方も参加されているようで、とても素晴らしい取り組みですよね。
運営は、市からの委託で社協がおこなっているので詳細は社協に問い合わせるかホームページをご覧ください。
老人ホームのボランティアは資格や経験は必要ない
「老人ホームのボランティアがしたいのだけど、介護の資格も経験もないからできない?」そう思っている方は安心してください。
老人ホームでボランティアするためには、資格も経験も必要ありません、年齢も関係なく参加できますよ。上記の申請方法には、高齢者も介護施設でボランティアに参加できるとありましたね。
下の年齢では、小学生も授業で介護施設に行ってボランティアに参加することもあるようです。中学生、高校生になると介護の必要性や重要性を学べるため積極的に介護施設でのボランティアを希望する学生もいます。
また、将来的に介護の仕事を目指す福祉系大学や専門学校の学生も介護施設で実際の知識や技術が学べると、老人ホームをはじめ各介護施設でのボランティアに参加しています。
老人ホームでのボランティアは資格や経験、年齢など関係なく誰でも参加できますが、介護について基本的な知識や高齢者の特徴などを理解しておくと、より一層ボランティア活動が快適におこなえるのではないでしょうか。
老人ホームのボランティアは心得が大事!
ここまで老人ホームでのボランティアについて解説してきましたが、いかがでしたか?
老人ホームのボランティアは、心得さえ気をつけていればどなたでも参加できるようですね。
しかし、老人ホームでのボランティアを希望するなら、高齢者についての知識も多少は学んでおくと、より快適な活動ができますよ。
あなたも、住み慣れた町で地域の人とかかわりながら、老人ホームで暮らす高齢者や介護職をサポートできます。
皆さんの介護ボランティアによって、日本の高齢者の生活の質が豊かなものになることを切に願ってやみません。
また、あなた自身の人生経験も豊富になるというメリットもありますよ。
老人ホームでボランティアを希望する方は「心得6つ」をしっかり守って、たくさんの高齢者や介護職をサポートしてあげてくださいね!