介護業界では比較的、働きやすい職場だと評判が高いデイサービス。そのため、介護職が転職を希望する職場もデイサービスが多いようですよ。
そんなに評判が高いデイサービスは、きっと他職種の方が転職しても働きやすい職場ではないでしょうか。そうは言え、介護の世界は未知だという方もいらっしゃるでしょう。
そこで、この記事では、デイサービスの仕事内容を解説しながら、デイサービスに転職をおすすめする理由やデイサービスに転職Q&Aを紹介しています。
デイサービスに転職をお考えの方に参考にしていただければ幸いです!
転職する前に知っておきたいデイサービスの仕事内容
デイサービス(通所介護)とは、自宅で生活している要介護の高齢者が少しでも自立した日常生活が送れるように、食事や入浴などの日常生活上の支援や生活機能の向上のためのレクリエーションなどを提供する日中サービスの施設をいいます。
デイサービスで働く介護職は下記の仕事をしています。転職の前にぜひ、確認してくださいね!(デイサービスでは施設に通われる高齢者を利用者さまとお呼びします。)
・利用者さまの身体介助
・レクリエーションの企画や実施
・利用者さまの送迎
・ミーテイング
それでは、詳しく解説していきましょう。
利用者さまの身体介助
デイサービスの介護職の仕事内容は利用者さまの身体介助がメインです。
デイサービスをご利用になる高齢者は比較的、介護度の低いお元気な方がほとんどですが、それでも食事や排泄、入浴の際は介助が必要な方もいます。
まず、介護職は利用者さまがデイサービスに到着されたら看護師と協力して利用者さまのバイタルチェック(血圧や体温測定、手指の消毒など)をおこないます。
その後、ご入浴をご希望の方には入浴介助、機能訓練がご希望の方は機能訓練に進むのでそれをサポート。施設によっては、食事の前に口腔ケアや嚥下機能の訓練もあります。
午前中の業務が終わると、昼食の時間になるので介護職は食事の準備や、利用者さまの食事介助、トイレに行く利用者さまに介助が必要な場合は排泄を介助します。排泄介助が必要な方はなかなか自分からは介助を頼めないので、介護職のほうからお声がけする気遣いも大事な介護職の役割です。
レクリエーションの企画や実施
デイサービスでは利用者さまの心身機能の向上のためのレクリエーションも提供しています。利用者さまがとても楽しみにしているレクリエーションの企画や実施も介護職の仕事です。
介護職も利用者さまに楽しんでもらうために一生懸命、企画を練ります。たとえば、風船を使ったバレーボール大会や囲碁・将棋、俳句や折り紙、塗り絵など誰でも参加できるような趣向を凝らしています。
また、散歩や近くのスーパーマーケットへ買い物、季節のイベントなど様々な企画を考え実施するのも大事な仕事です。イベントでは、介護職が司会をしたり歌やダンスを披露することもあるようですよ。
その後、利用者さまにおやつを提供して談話を楽しむこともあります。
利用者さまの送迎
デイサービスは、自宅で生活している利用者さまが通われる施設なので自動車での送迎が必要です。
そのため、利用者さまの送迎を介護職がおこなうこともあるので、施設によっては職員採用の際に、運転免許証の有無と運転歴を問われることもあります。
ミーティング
デイサービスの介護職の仕事は利用者さまが帰ったら終わりではありません。
介護職やデイサービス関連職のミーティングで、その日にあった一連の流れを報告、クレームはなかったか、注意することはなかったかなど連絡事項を共有・確認します。
その後、退勤時間まで施設の掃除や洗濯などをするのも介護職の仕事です。
デイサービスに転職をおすすめする理由4つを解説
デイサービスの仕事内容はいかがでしたか?評判が高いデイサービスとは言え、仕事は仕事なので全く大変じゃないということではありませんが、ちょっと楽しそうですよね。
ここでは、デイサービスに転職をおすすめする理由4つを解説していきます。
理由1.夜勤がない
理由2.土日休みができる
理由3.資格や経験がなくても働ける
理由4.精神的・身体的負担が少ない
それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。
理由1.夜勤がない
デイサービスは、自宅で生活されてる要介護の高齢者の日常生活が豊かなものになるように、また、ご家族さまの介護負担が軽減できるように通われる施設です。そのため、日中サービスを提供する施設となり夜勤がありません。
しかし、中には「お泊りデイサービス」を提供する施設もあるので、夜勤を希望しない方は求人情報をしっかりチェックしてくださいね。
理由2.土日休みができる
土日休みができるのも、ご家族がいる方やライフスタイルにこだわりがある方にとっては重要なポイントですよね。
基本的にデイサービスは土日休みができる施設が多いようです。その理由は『理由1.夜勤がない』で説明したように、デイサービスは自宅で暮らす利用者さまが対象です。
しかし、中には土日もサービスを提供している施設があります。転職して土日を必ず休みにしたい方は施設自体が土日休みにしている事業所を探すことをおすすめします。
理由3.資格や経験がなくても働ける
デイサービスに通われる高齢者は比較的、介護度の低い元気な方が多いことから利用者さまの介助も少なく、資格や経験がない介護職初心者の方でも安心して働けます。
しかし、レクリエーション活動ではたくさんの高齢者の前で話したり、場を盛り上げるというシーンもあります。そのような意味では、人を楽しませたりコミュニケーションをとることが得意な方はデイサービスの仕事がピッタリではないでしょうか!
理由4.精神的・身体的負担が少ない
デイサービスの仕事は他の施設の仕事と比べると精神的・身体的負担が少ない職場です。
たとえば、老人ホームなどの入所施設は夜勤があり、土日休みもあまりとれません。また、介護度の高い高齢者が多いため介護負担も大きくなります。そうなると、転職したばかりの介護職初心者には精神的にも身体的にも負担が多くなります。
それを考えると、介護職に転職するならデイサービスが断然おすすめな理由が理解していただけるのではないでしょうか!
デイサービスに転職Q&A
デイサービスの仕事内容やおすすめしたい理由をご紹介したところで、ここではデイサービスに転職する際の疑問にお答えしたいと思います。
皆さん、どんなQがあるのでしょう。
デイサービスの求人は夜勤がないけど給与が低い?
皆さん給与は1番関心がありますよね。ここでは、令和2年9月と令和3年9月の介護職の平均給与額を職場ごとに表にしてみました。
施設名 令和3年9月 令和2年9月 デイサービス(通所介護) 275,670円 264,730円 デイケア(通所リハビリテーション) 326,940円 318,560円 訪問介護 286,920円 272,500円 介護老人福祉施設 328,120円 306,400円 介護老人保健施設 323,770円 301,650円 出典:厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果 介護職員の平均給与額の状況(月給・常勤の者、サービス種類別)P15
表を見ると、どの職場も前年度より少しずつ上がってはいますがやはり、デイサービスの職員の平均給与額は他の施設に比べて低いことがわかります。
しかし、介護老人福祉施設や保険施設などの入所施設には夜勤があるので夜勤手当がつきますが、デイサービスは日中介護の施設なので夜勤手当がないこと、訪問介護の仕事は最低でも「介護職員初任者研修課程」以上の資格がないと働くことはできませんが、デイサービスは無資格でも働くことができるので、この差が平均給与に表れているようですね。
また、デイサービスと同様の夜勤がない施設、デイケアの平均給与額を見ると、なぜかデイサービスより50,000円以上高いのが気になります。その理由としては、デイサービスは日常生活の維持・改善を目指す高齢者の介護が対象ですが、デイケアはケガや病気で日常生活の復帰を目指す方の介護が対象です。そのため、デイケアの介護職は医療についての知識が必要になることが関係しているようです。
そのような理由からデイサービスは他の施設に比べると給与額が低くなりますが、この表はあくまでも平均給与額なので、地域や施設によって給与額が変わってくることもあります。
あなたが希望するデイサービスの求人情報をしっかりチェックすれば、自分にピッタリの施設が見つかるはずです。
また、デイサービスで働いて経験を積み、スキルアップすれば資格を取ることもできるので給与アップのチャンスもありますよ!
デイサービスの求人は残業が多い?
近年、地域のあちらこちらで見かけるようになったデイサービスの施設ですが、それだけ求人も多くなりました。その求人情報を見てみると「時間外」という項目がありますが、この「時間外」で、ある程度の残業時間がわかるようです。また、「なし」と書かれている場合は基本、残業が少ない事業所です。
デイサービスの仕事は、高齢者の介護となるため突発的に対処を求められることも少なくありません。デイサービスでは次の2種類の残業が考えられます。
一時的な残業
- 利用者さまが突然、体調を崩されて対応に追われる
- 利用者さまの送迎に思いがけず時間がかかる(交通事情など)
- 職員の突然の欠勤や早退で業務が通常通りに運ばない
- 施設の設備不良でサービスの提供がスムーズに運ばない
日常的な残業
日常的と言っても毎日、頻繁にある残業ではなく月に数回、あるいは週に数回定期的に決められたことで発生する残業を言います。
- 月に1回~数回勤務時間外で職員会議や職場研修がおこなわれることもある
- 介護職の人手不足で勤務時間内に業務が終わらないこともある
- 介護職の人手不足でシフトを組めないこともある
上記の一時的な残業や日常的な残業を、求人情報をチェックするだけで判断するのは難しいですよね。しかし、頻繁に求人を募集しているデイサービスは職員の人手不足に陥っている可能性が高いため残業が多くなるでしょう。また、施設見学して職員の挨拶や勤務状態などを確かめてみるのも1つの判断方法ではないでしょうか。
デイケアとはどう違うの?
デイサービスと間違えられやすい施設がデイケアになります。給与のところで少し触れましたが、デイケアとは通所リハビリテーションとも呼ばれ、何かしらのケガや病気でリハビリが必要になった高齢者に理学療法や作業療法などのリハビリを提供する施設です。
デイサービスは利用者さまの日常生活を支援する施設だとすると、デイケアは利用者さまの心身機能の回復や維持を目指すリハビリがメインの施設だということです。しかし、リハビリに関してはリハビリをおこなうのはリハビリ専門職なので介護職はサポートするだけです。
デイケアで働く介護職の仕事内容もデイサービスの介護職とあまり変わりませんが、大きな違いとしては利用者さまが突然体調を崩したりすると医療的なケアが求められることもあります。
40代からでも転職できる?
デイサービスへの転職は40代からでも可能です。デイサービスに限らず、介護業界はどの施設でも慢性的な人手不足な状態が続いているため他職種と比べると年齢や経験が問われない傾向にあります。
40代となると結婚もされていてお子さんがいる方が多くなると思いますが、夜勤がなく土日休みがとれるデイサービスは転職しやすい職場となるのではないでしょうか。
また、デイサービスに通われる利用者さまは比較的、介護度の低いお元気な高齢者が多いため、身体的負担も少ないので40代からでも十分転職できますよ。
運転免許証は必要?
デイサービスの仕事内容には、利用者さまの送迎もあります。施設によっては専門の運転手を雇っている事業所もありますが、介護職が運転業務を兼任する施設もあります。介護職が運転業務する場合には運転手当がつくこともあるようです。
しかし、運転免許証は所有していてもペーパードライバーだったり、経験が浅いと送迎業務が怖いと感じる方もいますよね。そんな方は、求職情報に(要運転免許)と記載されているか、どうしても、運転業務ができない人は専門運転手がいる施設を選びましょう。
デイサービスに転職するには自分に合った施設を探すことが大事!
ここまで、デイサービスの仕事内容や転職をおすすめする理由、デイサービスに転職Q&Aをお伝えしてきました。少しは介護職の世界がご理解いただけたのではないでしょうか。
今やデイサービスは日本のあらゆる地域に存在します。ということは、デイサービスの介護職の募集もそれだけたくさんあるということです。
デイサービスに転職する際は、求人情報で以下の点をしっかりチェックしましょう。
- 雇用形態
- 介護資格や経験の有無
- 資格手当の有無
- 残業の有無
- 年齢制限の有無
- 運転業務の有無
デイサービスは夜勤がなく土日休みもとりやすいことから、家庭をお持ちの方やプライベートな時間を大切にしたい方にも働きやすい職場です。
しかし、面接でそれを前面に出すことは控え、デイサービスで高齢者の介護ができることやレクリエーションが楽しみであることなどを積極的にアピールしましょう。
あなたもあなたに合ったデイサービスに転職して、楽しい介護職ライフを過ごしてくださいね!