

将来やりたいことがある。
でも、それを本当に仕事にするべきなのか、途中でわからなくなることはありませんか。
山田一花さんも、そんな迷いのなかにいた一人でした。音楽が好きで、レコーディングを学ぶために専門学校へ進学。はじめは、そのまま音楽業界に進むつもりで就職活動を始めました。けれど、履歴書を書こうとしたとき、自分の中にある違和感に気づきます。熱意があるはずなのに、うまく言葉にできない。その瞬間、山田さんは「自分は音楽を仕事にしたいほど好きなのだろうか」と立ち止まりました。
そこから山田さんは、一度決めた進路に固執せず、自分にとって納得できる道を探し直します。その先で出会ったのが、施工管理という仕事でした。
これは、「好き」を手放した話ではありません。
自分の人生を、もっと広い視野で選び直した話です。
音楽が好きだったからこそ、音楽を学ぶ道を選んだ

山田一花さんは北海道出身。小学校2年生から高校卒業までピアノ教室に通い、発表会のアンサンブル編曲やコンサートの進行にも関わるなかで、少しずつ「音楽を作る側」への興味を深めていきました。やがてレコーディングエンジニアという仕事を知り、音源の録音やミキシングを学ぶため、東京の専門学校へ進学します。
好きなことを学べている実感はありました。
高校まで抱いてきた「音楽に関わる仕事がしたい」という思いは、確かにそこにあったのだと思います。
だからこそ、就活が始まったときも、最初は自然に音楽業界を目指しました。専門学校1年の冬ごろから就職を意識し始め、2025年5月ごろに合同説明会をきっかけに本格的な就活をスタート。レコーディングスタジオへの就職を目指して、履歴書作成や応募準備を進めていました。
履歴書が書けなかったことで、自分の本音に気づいた
転機になったのは、就活のために履歴書を書いていたときでした。
「なぜこの業界で働きたいのか」と問われたとき、山田さんは熱意のこもった文章がどうしても書けなかったといいます。好きではある。でも、仕事にしたいほどの熱量が自分の中にあるのかと考えると、言葉が止まってしまった。そこで初めて、「自分は音楽を仕事にしたいほど好きなわけではないのかもしれない」と気づいたそうです。
この気づきは、前向きなものというより、むしろ苦しいものでした。周囲の同級生たちは音楽業界に向けてどんどん就活を進めていく。自分だけが立ち止まっているように感じる焦りもあったはずです。しかも、山田さんは一人暮らし。卒業後は自分で生活を支えていかなければならない現実もありました。
それでも、そこでごまかさなかったことが、山田さんの大きな強さだったのだと思います。
無理に「好きなはず」と思い込むのではなく、自分の本音に目を向けた。そこから、次の道を探し始めました。
「好きなことを仕事にしなくてもいい」と思えたことで、視野が広がった
音楽業界を一旦やめようと決める背中を押してくれたのは、社会人として働く友人の言葉でした。
好きなことを仕事にしても、途中で嫌いになってしまう瞬間はある。だから、好きなことを必ずしも仕事にしなくてもいい。その言葉を聞いたとき、山田さんの中で張りつめていたものが少し緩んだといいます。音楽は仕事にしなくても、趣味として続けていける。そう思えたことで、「音楽の道に進まなければならない」という思い込みから離れることができました。
ただ、その迷いを学校には相談しづらかったそうです。音楽を学ぶために進学してきた手前、「その道に進まない」と言い出すことへの気まずさもあったのでしょう。そこで山田さんは、外部の就職エージェントを頼ることにしました。きっかけは、SNSで見かけた診断系の導線からの登録でした。そこから複数のエージェントとつながり、その一つがツナグバでした。
一人で抱え込んでいた悩みを、外に出してみる。
その行動が、山田さんに新しい選択肢を見せてくれました。
昔あきらめた「建築の夢」が、施工管理という形でつながった
ツナグバを含め、複数のエージェントとの面談を通じて、山田さんはさまざまな業界を知っていきます。そのなかで、ふと心が動いたのが施工管理でした。
理由は、子どもの頃の記憶にありました。
山田さんは小学生の頃、自宅建築を担当してくれた建築士に憧れ、長いあいだ「建築士になりたい」と思っていたそうです。中学以降は音楽に興味が移り、その夢は一度遠ざかっていました。けれど、音楽以外の進路を考えたとき、その記憶が自然に戻ってきた。施工管理は、まったく新しい道というより、昔の自分ともう一度つながる選択でもあったのです。
さらに、山田さんが施工管理に惹かれた背景には、働き方への考えもありました。音楽はこれからも趣味として続けたい。そのためには、収入と自分の時間のバランスが大切になる。建築業界は働き方改革も進みつつあり、趣味と仕事を両立しやすいのではないか。そんな現実的な視点も含めて、施工管理という仕事に納得感を持てたといいます。
好きなことを守るために、あえて別の仕事を選ぶ。
それもまた、自分らしいキャリアのつくり方なのだと思います。
就活で大切なのは、「正解」を探すことより、自分で納得して選ぶこと
山田さんは現在、内定先企業で施工管理としてのスタートを控えています。担当予定は住宅やビルのテナントなどのリフォーム事業。今後は施工管理技士だけでなく、かつて憧れていた2級建築士の資格取得も目標にしているそうです。
そんな山田さんが、就活中の人に伝えたいことはとてもシンプルです。
「好きなことを絶対に仕事にしなきゃいけないわけではない」ということ。仕事は、生きていくための手段の一つ。そこに少しでもやりがいや納得感が持てるなら、それで十分だと山田さんは話していました。大事なのは、周囲の空気や思い込みに流されるのではなく、自分の意思で選ぶこと。
ツナグバについても、「ただ受けてみよう」ではなく、自分が何をしたいのかを一緒に深掘りしてくれたことが大きかったと振り返っています。担当の竹本さんが、自分ごとのように寄り添ってくれたからこそ、納得感を持って進路を決めることができた。ひとりで抱えていた就活の悩みが、少しずつ整理されていったのだと思います。
就活をしていると、「この道で本当にいいのかな」と不安になることがあります。
でも、そんなときこそ思い出してほしいのが、山田さんの言葉です。
選択肢は、いっぱいある。
ひとつの考えに固執しなくてもいい。広い視野で見てみた先に、自分に合う道が見つかることもある。
今もし一人で悩んでいるなら、抱え込まなくて大丈夫です。
誰かに話してみることで、見えてくる道があります。
ツナグバは、あなたの気持ちに寄り添いながら、納得できる選択を一緒に考えていきます。



